オバマ米大統領が就任後初めての国賓歓迎会をホワイトハウスで催した。十一月二十四日、その栄に浴したのはインドのマンモハン・シン首相。ホワイトハウスの庭で、両国関係者三百四十人を招いての絢爛豪華な宴がもたれた。 アジア歴訪を終えてわずか五日後、インド首相を国賓として迎えたのにはオバマ大統領の気配りがあった。歴訪では中国に四日間滞在する一方、インドには立ち寄らず、中国と張り合うインドにとって心穏やかでなかったはずだ(実際、インドでは「インドを犠牲にした訪中」と批判が上がった)。これを織り込んで、インド首相を初の国賓として迎えるべく日程を組んでいたのだ。 ミシェル・オバマ夫人も側面支援した。当日昼、ジャーナリストを招き、饗宴に出す料理を味見させるとともに、自ら饗宴内容をブリーフィング。「国賓訪問とその歓迎宴は米外交にとって大切な一里塚です」と述べ、インド首相を手厚くもてなす意味を力説した。 その夜、ホワイトハウスの庭に巨大なテントが張られ、十人掛けの丸いテーブルが三十四卓並んだ。テーブルクロスはインド国鳥の孔雀の黄緑色。テントを囲むように木蓮の枝飾りの壁が作られ、花の香りが会場に充満した。「木蓮はインドと米国が原産」とホワイトハウスは説明した。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。