パレスチナ自治政府の次期議長に、故アラファト前議長の甥でパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハ幹部のナセル・キドワ氏が就任する可能性が濃厚になってきた。 同自治政府のアッバス現議長は一月末で任期切れの予定だったが、次の評議会(議会)の選挙が行なわれるまでは現職にとどまることが、昨年暮れに事実上決定した。しかし、次期選挙は自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスの反発で、実施が困難な見通し。 こうした中、ハマスとの和解に前向きなキドワ氏が次期議長の有力候補として浮上している。キドワ氏はPLOの国連代表や自治政府の外相などを歴任し、各国要人とのパイプもある。 ワシントンの米国務省筋は「故アラファト氏との血のつながりからカリスマ性があり、パレスチナ住民の支持が強い」と指摘、議長選が行なわれれば当選は確実と予想する。 次期議長のもう一人の有力候補としては、インティファーダ(対イスラエル民衆蜂起)を主導したマルワン・バルグーティ氏もいるが、同氏はイスラエルの獄中におり、選挙までに釈放されない限り、出馬は非現実的とみられる。

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