パキスタンのザルダリ大統領はこのほど、中国から潜水艦を購入し、専門部隊を創設する構想を示唆した。インドは「パキスタンの海軍力増強はわが国の海上の脅威を増す」として警戒心を高めている。 パキスタンが潜水艦に関心を持った契機は、昨年七月末、インドが南部の海軍基地で国産原潜「アリハント」の進水式を行ない、安保理常任理事国以外で初めて原潜の保有を宣言したこと。この際、シン首相は「インドの国防軍備上、歴史的な出来事だ」と述べ、インド洋の海軍力では他の沿岸国より優位に立ったことを誇った。 対抗するため、パキスタンは中国から三千トンクラスのF-22Pフリゲート艦四隻を購入。それでも不十分と見て、ターヒル海軍参謀長が昨年末、中国を再訪し、新型潜水艦の譲渡を要請した模様だ。中国側も、国境で対峙するインドに側面から圧力を加えたい意図もあり、パキスタンに肩入れしている。 インド軍事筋によれば、パキスタンが求めている潜水艦は、中国の最新式〇四一型「元級」のディーゼル推進型。空気不要装置(AIP)を装備しているため、海面浮上の必要が長期にわたってなく、潜航時の音量も低い。五三三ミリの制御魚雷のほか、対艦攻撃ミサイルも装備しており、ロシアのキロ級潜水艦に匹敵するという。

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