昨年イスラエルが強行したパレスチナ自治区ガザでの大規模軍事作戦にトルコが反発し、両国の間が冷え込む中、関係の悪化に拍車がかかっている。 きっかけとなったのは、反イスラエルの気運が高まるトルコで今年一月に放送されたテレビドラマ。イスラエルの対外情報機関モサドがトルコ人の乳児を拉致するという内容だった。 イスラエルはドラマが自国への偏見に満ちたものだと厳しく批判。アヤロン・イスラエル副外相が駐イスラエルのトルコ大使を国会内に呼び、強く抗議した。その際、アヤロン副外相は大使を自身のイスより低いソファーに意図的に座らせるなど冷遇。イスラエル外務省によれば、トルコ政府への強い抗議を伝えるためだったという。 これに対してトルコ外務省は「侮辱的」だとイスラエル政府に謝罪を要求し、大使を召還する意向も表明。イスラエル側は数日後に陳謝したものの、当初は「抗議は正当なものだ」と譲らない構えだった。その後トルコ側は、一月にイスラエルが行なったガザ空爆も激しく非難し、イスラエルが反発するなど非難合戦は過熱するばかり。両国関係は「かってない絶望的な状況」(イスラエル紙マーリブ)との声さえ聞かれる。

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