東南アジアのイスラム系テロ組織「ジェマ・イスラミア(JI)」と関連が深いとされる武装組織がインドネシアのアチェ州で摘発され、新たなテロの脅威が懸念されている。 国家警察対テロ特殊部隊が二月下旬、アチェ州の山間部で軍事訓練をしていた組織を摘発。その後の捜査もあわせ、これまでに二十八人を逮捕あるいは射殺するとともに大量の武器弾薬を押収した。同州では長年インドネシアからの独立を求める武装組織「自由アチェ運動(GAM)」が国軍と戦闘を繰り返して来たが、二〇〇五年の和平合意後は武闘路線を放棄している。 このため、ユドヨノ大統領は「摘発されたのは、GAMとは無関係のテロ組織」と述べ、国家警察幹部も「組織幹部には中東の国のパスポートを所持する外国人が含まれている」として、国際的なテロ組織「アル・カエダ」と密接な関係にあるJIの一派との見方を示している。 欧米の強い意向を受けたインドネシア政府は、国内のJIなどテロ組織の壊滅に取り組んでおり、ジャワ島やスラウェシ島などに点在していたJIの秘密訓練基地やメンバーの隠れ家を次々と摘発した。 その結果、JIがGAMの活動地域で厳格なイスラム教徒が多いアチェ州の山間部を新たな拠点にして、新規にリクルートしたメンバーの軍事訓練をしていたとみている。

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