まず「日本語講座」から「知日派」を増やせ

執筆者:ギナンジャール・カルタサスミタ2010年4月号

 鳩山首相は昨年十二月、インドネシアのユドヨノ大統領と首脳会談を行ない、投資とエネルギー分野を中心に協力関係を深めることで合意した。インドネシアは二億人の人口を抱える地域大国であり、世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出量を誇る資源国。そして大事な親日国だ。 だが、両国の人的なつながりは細っていると指摘される。知日派の筆頭で、鉱業エネルギー大臣や経済・財政・産業担当調整大臣を歴任し、一月に大統領顧問会議議員に就任したギナンジャール・カルタサスミタ氏に見解を聞いた。――日本に何を期待するか。 我々は日本に感謝している。ODA(政府開発援助)はもとより、インドネシアの民主化プロセスを支援し続けてくれたからだ。現在も、海上保安庁がマラッカ海峡で海賊対策の共同訓練を行なってくれ、日本警察は我が国の警察改革のために人員を派遣してくれている。 インドネシアにとって最もふさわしい戦略的パートナーは、ともに民主主義国家であり市場経済に理解を示す日本だ。我々は共通の利益を有している。仲の良い兄弟の間でも問題が起きることはあるが、コミュニケーションが良好なら大丈夫だ。――日本側の「窓口」は誰か。 まず、日本・インドネシア協会会長の福田康夫元首相。岡田克也外相はもちろん、野田佳彦財務副大臣も民主党の議連の初代会長だったため、良く知っている。民主主義国家では政権交代がありえるため、特定の政党のみに立脚した関係は好ましくない。党を超えた人脈が大切だ。

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