世界銀行専務理事を務めるナイジェリア人女性、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏(五五)は、優れた開発経済学者・政治家であると同時に、男尊女卑が根強く残るアフリカで女子教育の重要性を訴え、アフリカ人女性の希望の星にもなっている人物だ。 英国植民地時代の一九五四年、ナイジェリア南部デルタ州の生まれ。米ハーバード大を卒業し、マサチューセッツ工科大で博士号取得。二十一年間、世銀で勤務した後、二〇〇三年七月に本国のオバサンジョ政権で財務相に就任した。 三年間の在任中にナイジェリアの対外債務削減で見せた辣腕ぶりは、今も語り草だ。主要債権国会議(パリクラブ)との交渉で、同国の公的債務三百億ドルを「帳消し」にしてみせ、欧米の主要経済誌が選ぶ「世界最高の財務相」の座に輝いた。民主化を推進したオバサンジョ大統領(当時)の下で数々の改革を実現し、汚職に耽り惰眠を貪っていた既存の男性政治家たちに痛撃を与えた。 退任後、短い期間だが外相を務め、〇七年にゼーリック世銀総裁の下に三人いる専務理事の一人に。外科医の夫との間に四児がいる。Ngozi Okonjo-Iweala●世界銀行専務理事。1954年生れ。

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