次の20年の20人 デイビッド・ミリバンド

執筆者:マイケル・ビンヨン2010年4月号

 デイビッド・ミリバンドは、ブレア前首相らの世代が育んだ「新しい労働党」を象徴する存在だ。二〇〇七年に外相に抜擢された時、わずか四十一歳。過去三十年で最年少の外相となった。弟のエドはエネルギー・気候変動相。兄弟が同じ内閣に入るのは、イギリスでは一九三八年以来、六十九年ぶりのことだった。 九四年、二十九歳の時に当時野党党首だったブレアの首席政策補佐となり、九七年選挙で労働党が政権を奪回するのに寄与。二〇〇一年に下院議員に当選するや、聡明でオープンな現代的政治家として評判となった。ブログを始めた最初の英議員でもある。政策の大胆な見直しや、政府の役割の再定義など、古い考えに固執することなく発想する。外相としては、伝統を踏襲してアメリカとの同盟を重視するため、アメリカがテロの容疑者を拷問した証拠がありながら英政府がこれを隠蔽したと左派から非難されることにもなった。 だが、五月はじめの総選挙で労働党が敗北すれば、責任を問われるブラウン首相の後継としてミリバンドの名が浮上することは疑いない。(訳=鮎川なつみ)David Miliband●外相。1965年生れ。

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