次の20年の20人 ラフル・ガンジー

執筆者:岡田浩之2010年4月号

 ラジブ・ガンジーの長男、インディラ・ガンジーの孫、ジャワハルラル・ネルーの曾孫。三人のインド元首相の血と、独立の父マハトマ・ガンジーの名を継いだプリンスだ。 母ソニアは夫ラジブが暗殺された後、国民会議派の総裁に就任。二〇〇四年の総選挙で政権を奪還するが、イタリア出身のカソリックゆえ、首相ではなく与党同盟の議長に。同じ選挙で初当選したラフルが“未来の首相”視されるようになった。 とはいえ、信望が高いのは妹のプリヤンカの方。当人が政界入りを拒み、ラフルが選挙に出た経緯がある。 それでも、国民会議派が大勝した昨年の総選挙では幹事長を務め、被差別階層との交流や旧弊な与党幹部の批判などで、新世代の指導者像を提示。国際社会での認知度も上昇し、日本からは自民党や公明党、民主党などもアプローチを続けている。 今後二十年の間に首相にならない確率は低いが、ネックは暗殺の危険性と妹プリヤンカの人気。母ソニアの“院政”を支えるマンモハン・シン現首相のような実務家の補佐を得られるか否かも大きな鍵となる。Rahul Gandhi●国民会議派幹事長。1970年生れ。

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