「会った事実が大切」な小沢・秋谷会談の波紋

執筆者:野々山英一2010年4月号

 二月二十六日夜、政界を揺るがす会合が都内のホテルで行なわれた。民主党の小沢一郎幹事長と創価学会前会長で最高指導会議議長の秋谷栄之助氏が極秘に会談したのだ。 両サイドは、会談の事実関係を否定。小沢氏にいたっては三月三日の記者会見で「そのような事実はありません」と断言している。このため「会談はなかった」と結論づけたメディアもある。 だが、両者は確かに会った。関係者によると、会談は創価学会側の申し入れによるものだという。 創価学会首脳と有力政治家の会談は、政局の節目で行なわれてきた。二〇〇六年九月、首相就任直前の安倍晋三氏が池田大作名誉会長と会談。過去に創価学会や公明党に批判的な言動をしてきた安倍氏が、修復のために会談を求めたとされる。 同年四月には民主党代表就任直後の小沢氏が秋谷氏と会談している。この時は「小沢氏が自公連立に手を突っ込み始めた」などの憶測を呼んだ。二つの会談は、その後の政局に少なからぬ影響を及ぼした。 今回、両者はどんな会話を交わしたのか。双方の関係者の話を総合すると「簡単な政治談議はあったが、突っ込んだ話はなかった」らしい。 小沢氏は七月の参院選で民主党の単独過半数の確保を狙うが、一連の「政治とカネ」の問題の影響などで目標達成は絶望的。そこで強力な助っ人として創価学会との連携を視野に入れ始めている。

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