菅直人首相が就任後、初めて迎えた主要国の首脳はフランスのフランソワ・フィヨン首相だった。参院選が終わった5日後の7月16日、首相官邸で首脳会談がもたれ、続いて昼食会になった。

〈膳菜〉厚焼き玉子、イチジク胡麻クリーム、大板かまぼこ、サーモンといくら、薩摩芋蜜煮……
〈お椀〉百合根の茶碗蒸し
〈造り〉本まぐろのトロとシマアジのにぎり鮨
〈焼物〉黒毛和牛ローストビーフに、赤キャベツの山椒煮とアスパラ添え
〈焚き合せ〉焼なすや穴子、ピーマン
〈御飯〉ふかひれ御飯と赤だし、香の物
〈デザート〉夏桃と抹茶アイスに小豆

フィヨン仏首相(左)を豪華な「ワーキングランチ」でもてなした菅首相 (c)時事
フィヨン仏首相(左)を豪華な「ワーキングランチ」でもてなした菅首相 (c)時事

 和洋折衷のメニューである。〈膳菜〉は懐石風に小皿に盛った一口大の料理。それにしても7皿のコースで、この品数。  さらに驚くのは飲みものだ。フランスの首相に敬意を表してフランスワインなのは分かるが、白がコルトン・シャルルマーニュ2003年、赤がシャトー・ラトゥール1996年。フランスの2大銘醸地であるブルゴーニュ地方とボルドー地方の、いずれも最高格付けである。加えて青森県の田酒も出された。  この昼食会はワーキングランチ。会談に引き続き、仕事の話をしながらの昼食会である。料理は品数を少なくし、ワインもどっしりした熟成型は避け、飲みやすい軽めのものにするのがふつうだ。それが品数といい、ワインのレベルといい、公式晩餐会の内容だ。

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