代表選後も変わらぬ民主の苦境

執筆者:2010年8月27日

 9月14日に投開票される民主党代表選は現職の菅直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちという構図になった。以前から再選に意欲を示してきた菅首相の出馬は当然として、一方の小沢氏出馬について重要な役回りを演じたのは鳩山由紀夫前首相である。
 当初、鳩山氏は菅首相の再選を支持しているものと信じられてきた。なぜなら鳩山首相は7月下旬以降一貫して「首相を支持するのは当然」と言い続けてきたからだ。だが、鳩山氏の発言を詳細に追ってみると、首相支持の言葉の裏に、別の意味が込められていることが分かる。
 7月22日、鳩山氏は記者団に「現時点では菅さんを支持している」と語った。だが、8月17日、外遊先の北京では記者団から「(菅首相支持という)心境に変化はあるか」と問われ、「今も同じ。常に『現時点』だ」と話している。さらに、18日になると、鳩山氏は記者団から「『現時点』というのは、今後は首相支持が変わり得るということか」と問われ、「どうぞ、ご随意に判断していただければと思う」とはぐらかした。さらに、鳩山氏は続けてこうも言った。
「現政権、菅内閣が国民のために仕事をしているという状況は当然、民主党の一議員としてしっかりがんばってもらいたい」

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