チャイナ・ダック協議体とは?

執筆者:平野克己2010年9月6日

 北京ダックのことではない。政府開発援助(ODA)を出している国の集まりであるOECD開発援助委員会(DAC)が、中国政府に呼びかけて2009年1月に立ち上げたChina-DAC Study Groupのことだ。その目的は「アフリカ開発支援の効果的な方法について話し合う」こととされていて、中国側の事務局は中国国際扶貧中心。中国国務院および商務省が国連開発計画(UNDP)と共同で設置した機関である。日本では国際協力機構(JICA)がこの協議体のメンバーになっていて、東・中央アジア部の北野尚宏部長が委員を務めている。

 今年4月にマリに行ってきた。首都バマコで開かれるChina-DAC協議体の第二回会合に参加するためである。ちなみに一回目の会合は昨年北京で行われ、日本から政策研究大学院大学の大野泉教授が参加した。今回、バマコでのテーマは農業だった。中国側が強く望んでいたテーマだ。

 中国からは中国農業大学のグループを核に、関係するさまざまな機関から20人を超えるミッションがやってきた。対するDAC側は、われわれ日本人(北野部長はじめJICAの方3名と私)を含めても中国ミッションと同じくらいの規模。アイスランドの噴火と重なったことが影響したかも知れない。加えて、開催地マリの関係者と周辺アフリカ諸国からの来訪者が参加した。全体会議はもちろんすべての分科会でまず中国人の報告があり、これをDAC側とアフリカ人参加者が拝聴するという作りの会議だった。

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