北朝鮮が、テポドンミサイルを一基約六百万ドルでイランに売却する契約を結んだことが、このほど確認された。

 日本の治安当局によると、イランに売却されるのは、一昨年八月に日本に向けて試射されたテポドン1号で、引き渡しは近日中に行なわれる可能性が高いという。

 このミサイルは推定射程千五百キロとされているが、イランに配備されれば周辺地域で軍事的緊張が高まり、EU諸国の安全保障にも大きな影響を与えることになる。

 北朝鮮はこれまで、パキスタン、イラン、シリアなどにミサイルと関連技術を極秘裏に供給していることが指摘されていたが、今回は「北朝鮮当局が消極的ながら情報をリークしたふしがある」(治安筋)という。

 こうした背景について治安当局は「今回のイランへの売却は、極めて政治的な判断」とした上で、「イタリアとの国交樹立を機に、欧州各国向けのメッセージを発したもの」と分析する。

 どうやら、北朝鮮が得意とする硬軟取り混ぜた外交戦略の一環のようだが、売却値段を明らかにすることで武器市場での国際競争力を印象付ける目的もあるようだ。

 

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