国際的に孤立状態にあるユーゴスラビアのミロシェビッチ政権に対し、中国から救いの手が差し伸べられ、注目を集めている。

 中国政府は先ごろ、ユーゴに対し復興支援資金として三億ドルを供与する旨通告した。これらの資金は、コソボ自治州紛争をめぐる北大西洋条約機構(NATO)の空爆によって被害を受けた施設などの修復費として使われる予定。

 イラクがユーゴに急接近していると伝えられるが、ミロシェビッチ政権支援を公然と打ち出したのは昨年のユーゴ空爆以後中国が初めて。中国がなぜ、ユーゴを助けるのか理由は明らかではないが、今後東欧で何らかの影響力を発揮するための布石との見方が有力だ。

 もっとも、ベオグラードの消息筋は「NATO軍を主導した米国の空爆によってさんざん痛め付けられたユーゴに対しては、中国の江沢民国家主席はベオグラードの自国大使館が誤爆されたこともあっていたく同情しているからではないか」と推測する。

 同筋によれば、支援資金の一部は中国大使館誤爆事件の賠償として米国が中国に支払う金が充てられるという。

 

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