ニューハンプシャーの番狂わせも「インターネットを使った政治」の影響

[ワシントン発]去る二月一日、米ニューハンプシャー州で共和党の大統領候補を指名する予備選挙が行なわれた。二〇〇〇年米大統領選の行方を占う最初の選挙として注目を集めたこの選挙は、圧倒的優位を伝えられるジョージ・ブッシュ・テキサス州知事がジョン・マケイン上院議員に敗北するという思わぬ結果に終わった。マケイン氏の得票率は四九%、ブッシュ氏は三一%。米有力メディアは、「Eポリティクス」への取り組みの違いをマケイン氏の勝因の一つと分析している。

 Eポリティクスとは、米国で最近盛んに使われる「インターネットを使った政治」を意味する言葉だ。マケイン氏は演説のなかで、自分のウェブサイト(www.maccain2000.com)について何度も繰り返すことで有名で、ブッシュ氏が地方遊説に懸命な一方、選挙参謀と一緒にインターネットで政策とビジョンを全米に伝えてきた。

 また、民主党アリゾナ州支部は九九年十二月十六日、米大統領選挙の歴史を塗り替える発表を行なった。大統領候補を決める予備選挙でE-Vote、すなわちインターネットを使った投票を実施する方針を明らかにしたのである。世界初のインターネット投票は、来たる三月十一日に実現する。さらに、アリゾナ州の民主党予備選に続き、カリフォルニア州が十一月七日の大統領本選挙でインターネット投票を実験的に行なうことに決め、米国防総省も海外勤務者のための不在者投票を実施するという。

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