ロシアによる軍事侵攻で首都グロズヌイを制圧されたチェチェン共和国の武装勢力が、アフガニスタンの首都カブールに亡命政府を樹立するとの観測が急浮上している。

 武装勢力の実質的リーダーであるシャミル・バサエフ野戦司令官は、主力部隊を南部山岳地域に移し、総勢約一万人のロシア連邦軍部隊をお家芸の泥沼のゲリラ戦に引きずり込む構えといわれる。だが、バサエフ氏自身も首都撤退時に右足切断の重傷を負うなど、武装勢力側の被害は甚大。ロシア軍によるチェチェン完全制圧さえ現実味を増している。
こうした中、武装勢力が最終的に身を寄せる先として注目されるのが、アフガニスタンの大半を実効支配するイスラム原理主義勢力タリバンだ。タリバンは一月十六日にチェチェン共和国を正式政府として承認。カブールには大使館が開設され、同国内の複数の地域に武装勢力の駐屯地が設営されつつあるという。

 武装勢力は既に、タリバン保護下にあるテロリスト、オサマ・ビン・ラディン氏からアフガン領内で戦闘要員訓練や傭兵派遣等の支援を受けている。ロシア国内でチェチェン武装勢力に同調するイスラム過激派がテロ攻勢を激化させる恐れも強い。

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