日本生命保険が確定拠出型年金(日本版401k)の運営で、三菱グループと住友グループの連合に参画を表明したことが金融界に大きな衝撃を与えている。日本版401kをめぐっては、三菱・住友連合と日本興業銀行や野村證券などの連合が、それぞれ金融各社の囲い込みに躍起になっていた。日本で最大の年金運用を誇る日生は単独運用を志向していたが、この発表で「三菱・住友連合が一気に優位に立つ」との見方が広がっている。

 すでに興銀・野村連合への参加を決めていた三井グループも、「さくら銀行が住友銀行と合併する関係から三菱・住友連合に移るはず」(三井グループ企業幹部)。401kの運用は顧客数が多いほどシステム費用が割安になるため、「地銀の多くも三菱・住友連合になびくはずだ」(大手地銀幹部)という。

 日生が三菱・住友連合に加わったのは、住友銀行との秘密協議が決め手になったとされる。日生はさくらと消費者ローンやインターネット・バンキングで提携しており、「住友・さくら銀行との連携強化を狙っている」(大手生保首脳)ともいわれ、「住友―さくら―日生」の大連合がいよいよ現実味を増してきた。

 

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