二月二十七日付の英サンデー・タイムズ紙が、米国衛星の盗聴波は朝鮮半島をすっぽりのみ込んでいるという記事を掲載、この報道を韓国メディアは異例の扱いで報じている。

 韓国の報道によれば、朝鮮半島での米国の盗聴能力は、韓国の大統領執務室である青瓦台はもちろん、北朝鮮の金正日総書記の通話内容にまで及んでいるという。韓国の代表的な野党紙であるハンギョレ新聞は三月七日、昨年六月に黄海沖で起きた南北海軍の交戦直後、米国は金総書記の通話内容を入手し、当時の北朝鮮の状況をすべて把握していたと伝えた。

 米国側が盗聴したのは、金総書記がスイスに滞在する女性にかけた電話で、金総書記は「黄海交戦で北朝鮮が勝った」と話したという。この金総書記の電話盗聴は、ある駐韓米軍の情報関係者が韓国軍に北朝鮮の状況をブリーフィングした際に漏らしたため、明らかになった。

 現在、駐韓米軍司令部内には、五〇一軍事情報団と呼ばれる特殊部隊が組織されている。この組織は、北朝鮮はもちろん日本、中国、ロシアなどの地域をカバーし、その規模は不明だが、最低でも五百名以上が活動しているとみられている。

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