反資本主義、反グローバル化などを掲げ、昨年十二月のシアトルでの世界貿易機関(WTO)閣僚会議を大混乱に陥れた過激派の国際的な組織化が進んでおり、関係各国の治安機関が警戒を強めている。

 こうした勢力が次の目標に掲げているのは、今年五月一日にロンドンで実施する大規模な抗議行動だが、インターネットの少なくとも十五のホームページで、参加と支援を呼びかけている。

 これらのホームページは、英語だけでなく、フランス語、ドイツ語、イタリア語などでも読むことができる。環境保護団体や無政府主義団体など多くの組織のサイトにもリンクしており、サイバー空間での増殖を続けている。

 ロンドンでの抗議行動には約一万人が集結するとの情報もある。五月四日のロンドン市長選挙への影響も懸念され、英治安当局は、過激派が危害を加える可能性がある金融機関、官公庁の警護を強化する。

 ロンドンでは、シアトルに先立ち昨年夏にも「反資本主義」派の騒乱があり、多くの逮捕者を出している。一部の資産家が資金を援助しているとも伝えられるが、詳しい背後関係は明確ではない。

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