コンピューター認定の致命的欠陥も明らかになり……

 四月一日からいよいよ介護保険がスタートする。「必要な時に誰もが介護サービスを受けられる社会」をうたい文句にした介護保険だが、導入直前になっても、果たして制度が定着するのかを疑問視する声が少なくない。特に定着を阻んでいるのが、「子が親の介護をすることが日本の美風」(亀井静香自民党政調会長)という発言に代表される、保守的な考え方だ。

 また、せっかくサービスを受ける気になっても、その内容を決めるために必要な「要介護認定」があまりにも不公平である実態も明らかになっており、制度への信頼性がスタート前から崩れかけているのが現実だ。

根強い固定観念

 今年二月、厚生省老人保健福祉局の幹部から介護報酬の説明を受けていた亀井政調会長が突然、大声で怒り出した。「家族と同居している高齢者が家事援助サービスを受けられるとはどういうことだ。禁止にしろ」。

 介護サービスのうち、最も需要が大きいホームヘルプ(訪問介護)は、サービスの内容によって「身体介護」と「家事援助」に分かれる。身体介護は、入浴や排泄の手助け、おむつ交換など身体に触れる介助行為のこと。これに対し、家事援助は居室の掃除や洗濯、炊事など、家事一般の代行を指す。

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