オーガニック検査員をご存知ですか

執筆者:水野葉子2000年4月号

 改正JAS法が四月から施行され、有機・オーガニック品を認定する認定機関の登録申請が始まる。登録機関によって認定を受けた申請者は、製品に有機JASマークを付けることができる。認定機関は、学者や消費者代表等からなる委員会において判定を下すのだが、その判断のもととなる検査を行なっているのが、私たちオーガニック検査員だ。 有機・オーガニック品とは、端的にいえば、農薬や化学肥料等を一切使わず、遺伝子組み換え等も行なわずに生産・製造されたものを指す。数年前までは検査や認定システムなど知らない人がほとんどだった。しかし、遺伝子組み換えに関する議論が盛んに行なわれるなど、最近は日本でも有機・オーガニック品に対する関心が高まってきており、「検査員」という職業の知名度も上がってきているようだ。 オーガニック検査とは、遺伝子組み換えの検査や水質検査のような数値検査ではなく、実際に圃場、工場、倉庫等を視察し、基準に則っているかを聞き取りするプロセス検査である。白衣を着て顕微鏡を見ていると誤解されることもあるが、検査の中で最も多くの時間を費やすのは聞き取り作業だ。どんなプロセスで生産、製造を行なっているかは、結局はその作業を行なう人にかかっているからだ。その意味では「人」の検査といってもいいかもしれない。

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