会社更生法の適用を申請した長崎屋の支援に名乗りをあげた米投資ファンド、サーベラス。サーベラスのビジネスは、破綻企業に経営陣を送り込み、資金を投入して再生させた上で株の売却益を狙うというもの。その成否はまさに投入するヒト、カネ、そして経営ノウハウ次第で決まる。目下サーベラスは、長崎屋の経営にあたる事業管財人と、共同で支援を行なう流通企業探しに熱を入れている。 そこで注目を集めているのがジャスコ。そもそもジャスコは長崎屋の経営破綻直後からスポンサーとして取りざたされていたが、同社の岡田卓也会長(七四)は「やらない」の一点張り。そのため同社の目はないと見られた時期もあったが、サーベラス自身も「パートナーは岡田氏とジャスコのセットが最適」(関係者)とラブコールを送っている模様だ。 あるいはヤマハ社長からダイエーに転じ、リッカー再建で名を馳せた河島博・ダイエー前副会長(六九)を管財人候補に挙げる向きもある。同氏は八〇年代前半、連結赤字に陥ったダイエーを復活させたやり手。「再建ノウハウと小売りの実績があるのは河島さんしかいない」(スーパー首脳)。ただ、河島氏の出身母体のダイエー自体が経営再建中。河島氏を説得するには一筋縄ではいかないようだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。