IT技術者の囲い込み競争で、日本の出遅れが際立っている。米国は外国人技術者に与えるビザの発給を来年から三年間無制限にし、IT技術者の入国、滞在を事実上、自由化、「インド、中国、韓国、ロシアなどからIT技術者を三十万人程度集める」(米当局者)考えだ。ドイツも年内にIT技術者向けに五年間有効の特別労働許可証を発行、二―三万人をハンガリー、チェコ、ポーランドなどから移住させる計画。シンガポールもインドからソフト開発技術者を数千人の枠で受け入れるとゴー・チョクトン首相が表明している。韓国は「今後五年間で二十万人のIT技術者が不足する」(韓国商業産業部)との予測から、実務経験二年以上の外国人ソフト技術者には最長十年間の滞在ビザを発給する計画だ。

 これに対し、日本はアジア最大のIT技術者の宝庫といわれる中国人の受け入れを、未だに厳しく制限している。中国人の密入国や不法滞在、犯罪などが多発していることを理由に法務省、警察が入国緩和に立ちはだかっているからだ。このため日本の関係者からは「日本のIT産業をつぶし、グローバル競争から脱落させる元凶は法務省」と怨嗟の声が上がっている。

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