中国・新疆ウイグル自治区や隣接するキルギス、カザフスタンなどにまたがるトルコ系民族国家「ウイグルスタン」の樹立を目指す地下組織の動きが活発化しており、関係国が神経を尖らせている。

 新疆では中国当局の弾圧が厳しいため、ウイグル語に言葉が近く、政府の取り締まりも緩慢なキルギスに活動家が潜入している。昨年、日本人技師拉致事件の舞台となったオシ地区では、最近五人が爆発物を使用したテロ行為で裁かれた。

 このうち三人は新疆の独立運動家で、その他はトルコ右翼政党「民族主義者行動党」の青年組織「灰色の狼」のトルコ人メンバーと、ロシアのカラチャイ・チェルケシア共和国の活動家だった。

 中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの国防相などで構成する治安連絡機構「上海5」は国境警備の強化などを申し合わせたが、新疆の亡命活動家らがトルコを拠点に支援を続けており運動の地下水脈は絶たれていない。

 一方、台湾の陳水扁新総統は台北市長時代に、こうした支援組織の代表を台北に招いたことがあり、中国は陳氏のこうした過去にも不快感を募らせている。

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