東芝がノートブック・パソコンをめぐって中国国内で消費者運動の標的にされている。

 東芝が昨年十月に米国でフロッピーディスク・ドライブに欠陥の可能性があるとして起こされた集団訴訟で総額十億ドルを超える賠償をする和解に応じたことを知った中国人ユーザーが同様の賠償を求めたことが発端。人民日報、北京テレビなど国営メディアが火をつけ、国民的な話題になっている。

 この騒動については、WTO(世界貿易機関)加盟を前に外国製品排斥を狙った中国政府の通商戦略の一環との見方が有力だ。中国では九七年にソニーのカラーテレビがアフターサービスに問題があるとして標的にされているが、当時は中国の家電メーカーがテレビ生産を拡大していた時期だった。

 今回もレジェンド(連想)、ファウンダー(北大方正)など中国のパソコンメーカーが外国ブランドと本格的な競争に入った時期で、ノートパソコンの生産を上海で始めたばかりの東芝が「追い落としの対象に選ばれた」(日系家電メーカー)格好。対中ビジネスでは今後、こうしたリスクがさらに大きくなることを覚悟しておいた方がよさそうだ。

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