ソニー系のインターネット証券会社のマネックス証券とDLJディレクトSFG証券の二社が早ければ来春にも合併するとの説が急浮上してきた。共に「ネット証券界の雄」に数えられるが、再編により経営基盤を強化して、予想されるネット証券界でのヘゲモニーを確立しようと画策しているという。

 両社が接近したのは、「住友銀行の証券分野の実力者とされた近藤章・元常務がこの春にソニーへ移籍したのがきっかけ」と関係者は話す。ソニーは金融分野の強化のために近藤氏をヘッドハントしたが、これで住友銀行とソニーの関係は深まった。

 DLJディレクトSFG証券はそもそも住友銀行系とも言える証券会社。現に社長には住友銀行出身の国重惇史氏が就任している。マネックス証券社長の松本大氏も住友銀行が大株主の米ゴールドマンサックスに在籍した経験があり、住友銀行関係者と人脈もあるうえ評判もいい。
 ネット証券は株式手数料の自由化で急成長しているが、「莫大な広告費と顧客獲得合戦で早くも淘汰の波が押し寄せてきた」(大手証券)という。マネックスとDLJが合併すれば確実に生き残れるとの算段だが、融合できるか危惧する声も出ている。

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