携帯電話などワイアレスの端末機器をターゲットにしたコンピュータウィルスが、このほど世界で初めて確認された。

「ティモフォニカ」と名付けられたこのウィルスの被害に最初に遭ったのはスペインの携帯電話会社だった。その後、被害は米国などにも拡大しているという。

 ウィルスの基本構造は先に世界的な大被害をもたらした「I LOVE YOU」ウィルスと似ており、インターネット機能の付いた携帯電話などに電子メールという形で侵入、機能を麻痺させるばかりではなく、携帯電話に登録されているアドレスすべてにメールを送信する。

 従来のウィルスとの決定的な違いはワイアレスで増殖、被害をもたらすことで、治安当局は「被害の拡大を防ぐのは極めて困難な作業になる」と指摘している。

 今年のはじめに米国を中心に大手サイトを混乱させた「サービス拒否攻撃」のようなものなら、サイトさえ復旧されれば問題が解決するが、携帯電話に対するウィルス攻撃はワイアレス通信という巨大ネットワーク自体を長期間麻痺させる可能性もある。さらに、携帯電話網に壊滅的な被害をもたらすウィルスの誕生も間近という分析もある。

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