「自民大敗」その時、何が起きるか

執筆者:山岡智2000年6月号

 ついに選挙戦の火蓋が切って落とされた。様々な「勝敗ライン」が出されているが、自民党が大きく後退することは間違いない。内容次第では森退陣もある。その場合、カギを握るのは誰か。ポスト森はどう動くのか。総選挙後を完全シミュレートした。

 森「シンキロー」自民党が霞んで見える。「神の国」発言の舌の根も乾かないうちに、今度は「国体」発言。理念、節操のない口の軽さは、俗に揶揄される通り、まさに「サメの脳味噌」。とどまるところを知らない下半身スキャンダル報道は、「オットセイの××」を実証し、トラブルを解消しようと、夜ごと党幹部宅を訪ねる姿は、「ノミの心臓」の評判通り。

 おかげで四月の首相就任直後の、ご祝儀相場では四〇%台あった内閣支持率も急落し、五月の産経新聞の世論調査では一二・五%にまで落ち込んだ。

「これでは選挙に勝てるわけがない」――慌てた自民党幹部は、民主党の「課税最低限を引き下げる」という公約を、「弱い者いじめの増税」として攻撃し始めたが、それとても、「森問題」から目を逸らすための作戦にしか見えない。多くの地方県連組織が森喜朗首相の応援を拒否するのも「森隠し」に他ならず、公示日を過ぎても首相の遊説日程には空白が多い。

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