八月七日から十八日まで予定されるインドネシアの国会にあたる国民協議会で、ワヒド大統領を辞任に追い込み、新政権を誕生させようという動きが水面下で進んでいる。 仕掛け人は国民信託党党首アミン・ライス国民協議会議長で、これにゴルカル党党首のアクバル・タンジュン国会議長が同調。国民協議会における大統領演説に続く投票で、不信任を突きつけるべく、多数派工作を始めているという。 二人が描く次期政権構想は、政治手腕の無さは露呈したものの国民の人気が相変わらず高いメガワティ副大統領を大統領に昇格させ、ライス副大統領、タンジュン国民協議会議長で固め、各々が「次の次」の正副大統領を狙うというもの。これにはメガワティ率いる最大勢力の闘争民主党も乗り気で、同党幹部と両議長の密会が頻繁に行なわれている。 ゴルカルはスハルト時代の与党だっただけに、スハルト元大統領やウィラント前調整相など、ワヒド大統領が葬り去ろうとしている守旧派が、うまくすれば影響力を残せると考えて豊富な資金をバラ撒いているともいわれる。八月の国民協議会では思わぬ事態が起きる可能性もある。

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