北朝鮮の金正日労働党総書記の最有力ブレーンは「三金一趙」――。北朝鮮の動向を分析している米国務省の専門家はこう指摘する。三金とは、金容淳労働党書記(アジア太平洋平和委員会委員長)、金国泰労働党書記、金鎰チョル人民武力相。趙とは趙明禄人民軍総政治局長で、この四人が金総書記を支えているという。 南北関係を担当する金容淳氏は一時左遷説も流れたが、六月の南北首脳会談では金総書記に常時密着、信頼の厚さを見せつけた。「歌って踊れる指導者」(同専門家)で、幹部の宴会に欠かせない人物。党の総務を担当する金国泰氏も金総書記の移動には常に同行。昨年、ニューヨークのマウント・サイナイ病院で医療検査を受けたことが示すように、金総書記はその健康に配慮している。 軍人の金人民武力相は金総書記の訪中に同行。若手軍人を代表する世代交代の見本とされ、総書記の格別の信頼を得ている。趙局長は金正日権力継承に貢献、国防委員会の第一副委員長を務めるナンバー2だ。 米国は金総書記には直接の接点がないが、昨年訪朝したペリー調整官が趙氏と会談、金国泰氏の米国滞在中も秘密接触したとされ、徐々に金総書記に接近しつつある。

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