七月中旬にイランが新型中距離ミサイル「シャハブ3」の発射実験を成功させたが、この背景に北朝鮮の存在が指摘されている。「シャハブ3」は、射程約一千三百キロで、核や生物化学兵器も搭載可能。イスラエルが射程内に収まることで、中東の軍事情勢への懸念ばかりが取り沙汰されている。 しかし、軍事筋は今回の実験成功の陰に「北朝鮮の新たな戦略が見え隠れする」と分析する。 今回、イランが発射した「シャハブ3」は、北朝鮮の「ノドン1」の改良型とみられ、軍事筋は「北朝鮮はミサイル技術を輸出する代わりに発射実験を依頼している可能性が強まった」と指摘する。 発射実験など詳細なデータは輸出元には還流されないのが通例だが、北朝鮮と輸出先との間でデータ還流の密約がなされているとの有力情報もあるという。 軍事筋は、「北朝鮮国内での発射実験をしないことで、新たな外交姿勢をアピールする一方で、イランやパキスタンなどミサイル輸出先の国々で、実質的な発射実験が行なわれることになる。北朝鮮が、ミサイル開発を放棄していない証拠だ」と警告している。

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