韓国の金大中大統領のノーベル平和賞受賞がほぼ確実となった。ノーベル賞委員会が非公式ながら韓国政府に対して金大中大統領が最も有力な候補者だと伝えたという。一九八七年以降、候補者となること十四回。韓国人として初の受賞に意欲を燃やしてきた金大中氏の悲願は、十月の発表までの秒読み態勢となった。 ノーベル平和賞の正式候補として登録されているのは百十二人と三十二団体。金大中大統領のほか、米国のクリントン大統領、カーター元大統領、ロシアのチェルノムイルジン元首相などの名前が並ぶ。最大のライバルだったクリントン大統領は、七月の中東和平会談が決裂し、事実上受賞圏内から姿を消した。 金大中大統領がノーベル平和賞候補に上がった理由は、通貨危機の克服などの経済問題と朝鮮半島内の緊張緩和、さらに周辺諸国との関係改善への貢献である。ワシントンの韓国政府関係者はこう語る。「ノーベル平和賞候補の推薦の最終締切が毎年二月であることを勘案すると、六月十五日の南北首脳会談が授賞者の選考に影響を及ぼすことはない。したがって、金正日総書記が金大中大統領と一緒にノーベル平和賞をもらうことはないはず」

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