韓国の国家情報院(前国家安全企画部)が北朝鮮から亡命した黄長ヨプ元党書記の対外活動を全面的に禁止させたことが明らかになった。朝鮮日報によると、金泳三前大統領が七月十二日と八月一日の二回、国家情報院に黄長ヨプ氏との面談を要請したにも拘わらず、国家情報院は本人に要請の事実さえ伝えなかったという。 亡命以後、黄長ヨプ氏は金正日総書記体制を辛辣に批判し、金大中大統領の太陽政策にも賛成しないなど、韓国政府の対北朝鮮政策に対して反対してきたが、南北首脳会談以後、黄長ヨプ氏の講演や寄稿活動などが突然中止されている。北朝鮮脱出者によって構成される脱北者同志会は、雑誌「民族統一」六月号への黄長ヨプ氏の寄稿文が削除され、目次だけにしか掲載されなかったことも国家情報院の干渉のためと主張している。 黄長ヨプ氏は、新聞とのインタビューで、何故、最近講演をしないかと尋ねられ「ここ(国家情報院)で講演を用意してくれない」と明らかにし、金泳三前大統領の面談申請も聞いていないと話した。金泳三前大統領はこれに対し、「黄長ヨプ氏の活動を禁止する権限を持つのは国家情報院院長ではなく、大統領だけ」として金大中大統領を強く非難した。

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