中国政府が米マイクロソフトのOS、ウィンドウズを政府機関、国有企業から排除する方針を固めた模様だ。中国政府内では「ウィンドウズ98、同2000にはユーザーに知らされていない外部からの侵入システムが組み込まれている」との見方が以前からあり、「ウィンドウズ依存は国家安全保障上の危機」と指摘する声が強まっていた。代わって採用するのは、中国科学院直系のソフトウエア会社が開発したリナックスの中国語版「紅旗リナックス」。すでにサーバー用、パソコン用ともに商品化されており、「インターネットとの親和性はウィンドウズ以上」といわれる。 中国がリナックスに傾くもうひとつの理由はコスト。ウィンドウズ98は国内価格が千九百九十九元(約二万六千円)だが、紅旗リナックスはCD-ROMで一枚三十八元(約五百円)にすぎない。「パソコン普及の加速を目指す中国政府にとって低コストOSは大きな魅力」(情報産業省関係者)だ。世界的にリナックスの勢力は拡大しつつあるが、いずれ世界最大のパソコン市場になる中国が本格的にリナックスに乗り換えれば、マイクロソフトに新たな脅威となるのは間違いない。

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