ゴア副大統領の巻き返しで大接戦となっている米大統領選のキーワードは、「ウェートレスママ」といわれる。レストランなどで働く収入の低い母親がゴア、ブッシュ両候補のどちらに投票するかが、選挙の死命を制するというわけだ。 前回一九九六年選挙のキーワードは「サッカーママ」。子供を車でサッカー場に送り迎えする郊外の裕福な白人主婦層が、若くセクシーなクリントン大統領に投票、同大統領再選の原動力となった。しかし、サッカーママたちは、今回は本来の共和党支持に戻っている。ウェートレスママはそれよりも所得の低い家庭で、シングルマザーが多く、働いて生計を立てている母親たちだ。「彼女らの政治意識が今回高まっている」(ワシントン・ポスト紙)といわれる。 本来民主党支持のウェートレスママたちは当初、ブッシュ・テキサス州知事の減税を歓迎し、同知事を支持していた。しかし、「共和党の減税案は底辺層では月にダイエット・コーク一本分にすぎない」とする八月の民主党大会でのゴア副大統領のアピールに共感が高まり、社会保障充実を優先するゴア氏支持に傾き始めている。ゴア氏躍進の原動力は、ウェートレスママのようだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。