ミロシェビッチ大統領の強権支配への審判が下される九月二十四日のユーゴスラビア連邦大統領・議会選挙を控え、米国がユーゴの反体制学生組織「オトポル」の学生らの「訓練」を近隣のブルガリアやルーマニアで開始した。 ベオグラードの外交筋によると、八月に近隣諸国を歴訪したCIAのテネット長官自らが音頭を取り、数十人ずつの学生を「十日間、無料」の政治訓練コースに参加させ、「政府転覆のためのプロパガンダの方法や政権の機密情報を得るためのスパイ方法」を十六人の米専門家が教授。一部は既に“卒業”してユーゴに戻り活動を始めたという。 CIAの目的は訓練の見返りにユーゴ連邦軍の情報を学生らから得ること。右記二カ所に加えハンガリーのブダペストとアルバニアのティラナにも八月中旬に「対ユーゴ心理・情報戦」を担当する事務所を設置、合わせて百二十人の専門家が配備されたという。 各事務所では国際的な非政府組織(NGO)や米軍需企業からの要員も活動、軍事情報だけでなく、コソボの地中やモンテネグロ沖に眠る「潜在的に豊富な石油資源」の調査にも当たっているようだ。

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