「都銀―消費者金融」連携の行方

執筆者:郷本美昭2000年10月号

業態を超えた相次ぐ提携で、専業に徹する武富士は取り残される? 十月十二日、消費者金融大手のアイフルが会社更生中の信販大手、ライフのスポンサー(経営支援)になることが決まった。アイフルは自社とほぼ同じ一兆円の営業資産を持つライフを子会社として傘下に収め、信販・クレジットカード事業への進出を果たす。総合金融サービス会社へと経営の舵を切る消費者金融の一方で、都市銀行は収益力強化のため、消費者金融事業に進出し始めた。リテール(小口金融取引)市場を巡ってはこれまで都銀、クレジットカード、信販、消費者金融の四業態が互いの縄張りを守ってきたが、もはや棲み分けは不可能になった。改正出資法で「逆ざや」も 二〇〇〇年七月以降、リテール分野では業態を超える象徴的な動きが相次いでいる。第一弾は七月二十七日。「さくらローンパートナー」の営業開始だ。同社はさくら銀行・住友銀行と九州・四国を主な営業地盤とする消費者金融の三洋信販、中堅コンビニエンスストアのエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)、日本生命保険の五社が共同出資した消費者金融会社。続く九月十八日、「モビット」が営業を始める。三和銀行と消費者金融大手のプロミス、三和銀系信販大手のアプラスが共同出資した消費者金融会社だ。

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