フジモリ大統領に「日本亡命」説

執筆者:2000年10月号

 来年七月に辞任することがほぼ確実視されているペルーのフジモリ大統領が退任後に日本に亡命する可能性があるとの情報が流れている。 リマの消息筋によると、国家情報部(SIN)元顧問、モンテシノス氏のパナマ亡命後の十月初め、大統領官邸で長女ケイコさんらを交えた極秘会合が開かれ、その結果、退任後は極左ゲリラなどのテロの対象にされる恐れが一層強まるうえ、在任中の人権弾圧や不正行為について訴追される可能性があるとの結論に達した。 このため、ケイコさんら側近は大統領に対し、「ペルーを離れ、日本を含む外国に事実上亡命することも考えるべきだ」と進言。大統領はこれに難色を示したが、最愛の長女のアドバイスを即座に拒否はしなかったという。大統領の親族が現在、日本で職を得ていることや、義弟にあたる駐日ペルー大使の一族が東京で不動産を物色しているとの情報も、「フジモリ日本亡命説」が出る要因になっているようだ。 フジモリ大統領は、日本大使公邸占拠・人質事件を起こした「トゥパク・アマル革命運動」(MRTA)や「センデロ・ルミノソ」など極左ゲリラや野党勢力過激派から狙われている。

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