北朝鮮が最近実施した軍事訓練の実態が明らかになり、日米韓など関係各国は、六月の南北首脳会談以降の緊張緩和ムードの陰で、警戒を強めている。 在京の治安筋によると、北朝鮮がこの夏に実施した地上軍主体の軍事訓練は、過去十年間で最大規模、最高水準の内容で、特にこれまでにはなかった奇襲攻撃を想定した特殊部隊、機械化部隊の訓練がメインだった。 さらに、後方区域担当の機械化部隊を南に移動するなど、様々な異例の訓練が行なわれていたという。 一方、米国防総省が議会に提出した報告書によると、北朝鮮は、非武装地帯付近の戦力を大幅に増強。北朝鮮軍の約七割にあたる兵力を集中、さらに洞窟にカモフラージュしたロケット砲の陣地を増強するなど着々と対南侵攻の準備を進めているという。 こうした状況を受け前述した治安筋は、「北朝鮮は、今でも地下弾薬庫の工事を続けるなどしており、いつでも韓国に大規模攻撃を仕掛けられる態勢を整えている。緊張緩和ムードの中でも、わずかな兆候、情報を見逃さずに対処することが重要だ」と警告している。

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