九月に発表された民主党のネクストキャビネットで地方分権・行政改革・政治改革担当に任命された玄葉光一郎議員は、一九六四年生まれの三十六歳。「臨時国会では斡旋利得処罰法案の野党案代表を務める他、警察改革、参議院選挙制度、永住外国人の地方参政権問題などすべて担当分野なので非常に忙しいですが、いずれも民主党にとって最重要なテーマ。必ず成果をあげたい」と、“内閣”最年少は抱負を語る。 町長を務めた二人の祖父を見て、地域作りと政治との関わりについて考えるようになったという氏は、上智大学法学部卒業直後に松下政経塾へ。自分の能力を見極めたい一心からの入塾だったが、松下幸之助氏の人となりや思想にふれ、伝記作家の小島直記氏に歴史上の人物の生きざまについて講義を受けるうち、政治への志は固まった。 平成三年、無所属から出馬した福島県議会議員に二十六歳の若さで当選し、その後、自民党に入党。しかし、冷戦構造の終結に、「時代の転換期において、既得権益にしがみつく政党の内部からの改革には限界がある」と、平成五年の衆院選は自民党の公認はもらわず、無所属から立候補、初当選をはたした。五カ月後、連立政権参画中の新党さきがけに入党。議院運営委理事を務めるなど、一年生ながら多様な責務を経験し、平成八年、民主党結成に参加した。

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