米フロリダ州での大統領選の集計作業が混乱した背景に、民主党が黒人を投票所に大量動員していたことが判明、共和党はルール違反と反発している。 フロリダは順当ならブッシュ・テキサス州知事の楽勝だったが、出口調査によると、黒人の投票者は四年前の選挙より推定三十万人増加しており、その九〇%以上がゴア副大統領に投票した。 共和党関係者によると、ゴア苦戦の予測に危機感を抱いた民主党と黒人最大組織、全米黒人地位向上協会(NAACP)が、マイアミなどでバスを仕立てて黒人を投票所に送り込んだり、煙草やビールを与えて投票させたという。これらの黒人の識字率は低く、候補者名を間違えたり、投票用紙に「えくぼ」ができた原因の一つとされる。 米国では、投票に先立ち有権者登録が必要だが、民主党は過去八年で黒人を大量に登録させてきた。ミシガン、ペンシルベニアなど激戦区でも今回、黒人投票率が跳ね上がっており、黒人が民主党の「集票マシーン」になった模様だ。今後、白人人口比率が低下することから、民主党の恒久政権も可能にする危機感が共和党内に生まれつつある。

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