チャールズ皇太子の再婚大作戦

執筆者:黒岩徹2000年12月号

カミラ夫人との「スコットランドでの結婚」という奥の手も 英国のダイアナ元皇太子妃が悲劇的な死を遂げて以来、英国王室に関する日本での報道は影をひそめたが、英国内ではいぜん最大の関心事の一つである。チャールズ皇太子とカミラ・パーカー=ボールズ夫人は結婚するのか。ウィリアム王子は、今後なにをしようとするのか。そもそも英王室はいつまで存続するのか。多くの疑問符が人々の口にのぼっている。条件は女王と世論の同意 チャールズ皇太子とカミラ夫人は、ロンドンから西に車で二時間半、グロスター州ハイグローブの皇太子別邸で週の数日は共に過ごしている。皇太子はカミラ夫人のために年間十五万ポンド(約二千五百万円)も使っている。彼女の休暇、ハンティング(狩猟)、車、贈り物などに皇太子自身が金を出しているのだ。二人はほぼ実質的な夫婦関係にあると言える。 こうした二人の関係が賛否両論を巻き起こしている。一方は、彼らが夫婦関係になっている以上、結婚を認めるべきである、との意見である。二人の関係が、皇太子とダイアナ妃の離婚の原因となり、ダイアナ妃の悲劇の遠因となったために国民の反感が集中したにもかかわらず、二人は愛を守りつづけた。それほど愛が深いならばもう許してもいいではないか、との主張である。「カンタベリー大主教はチャールズとカミラの結婚を望んでいる」(サンデー・タイムズ紙)といった憶測が新聞のトップ記事となっている。カンタベリー大主教は、王室の結婚問題に最も強い発言力をもつだけに結婚賛成派にまわれば世論を動かす力になる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。