機能麻痺寸前の東京証券取引所

執筆者:2000年12月号

株式会社化で証券会社を説得できず―― この夏から秋にかけて、ロンドン金融界は前代未聞の“事件”に揺れた。ロンドン証券取引所に、スウェーデンのシステム開発企業OMグループがTOB(敵対的買収)を仕掛けたのだ。結局、ロンドン証券取引所の株主の支持が得られず、OMグループのTOBは失敗に終わったが、一連の経過を目の当たりにした東京証券取引所の首脳陣は、背筋も凍る思いを味わったに違いない。 ロンドン証券取引所が、会員証券会社以外への株式開放を決めたのは今年三月。売買システムの電子化を背景に、取引の「場貸し」から「IT事業」へとその業務が大きく変貌する中で、より効率的な運営体制をとるための策だった。香港、オーストラリアなどアジア各国の取引所や、商品・デリバティブのメッカであるシカゴ・マーカンタイル取引所も株式会社化を選ぶなど、世界の証券取引所は大変革期を迎えていると言っていい。 事は単に運営体制の変化だけにとどまらない。欧州ではパリ、ブリュッセル、アムステルダムの三取引所が九月に合併し「ユーロネクスト」が発足したのをはじめ、グローバルマネーを呼び込むために続々と合従連衡が進んでいる。お互いに強烈なライバル意識を燃やす米国のニューヨーク証券取引所とナスダック(米店頭株式市場)も、競って海外市場との提携関係を結んでいる。

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