ネットが可能にした「十五歳の株価操作」

執筆者:ジェニファー・サックス2000年12月号

十五歳の少年が株価操作で八十万ドルもの不正利益をあげたとして、米証券取引委員会(SEC)に摘発された。SCEは特捜班を編成して株価操作を監視しているものの、ネット上の偽情報に飛びつく安易な投資家も後を絶たず……。[ワシントン発]インターネットを使った株価操作は、いまや「子どもの遊び」くらい簡単だ。先頃、それを実証してみせた少年がいる。ニュージャージー州に住むジョナサン・レベッドは、父親名義の口座を使って数千ドルの資金を元手に十三歳の時にオンライン投資を始め、弱冠十五歳にして、ネットを使った株価操作で八十万ドル近い不正利益を上げたと見られている。 今年九月、レベッドはニュースの主役となり全米を揺るがした。米証券取引委員会(SEC)が彼に、インターネットを使って株価の不正操作を行なったとして二十八万五千ドルの罰金を支払うよう命じたのだ(不正取引で得た利益二十七万三千ドルに、利子一万二千ドルを加えた額)。 容疑は詐欺罪。SECに告発された者の最年少記録だった。 当局によれば、レベッドが行なったのはいわゆる「売り抜け」というやり方。ある企業に投資し、その後、ネット上の掲示板等に「高騰間近」、「この株は今後一〇〇〇%値上がりする」といった書き込みを何百件も行ない、株価を吊り上げるのだ。

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