先の総選挙で自民党より多くの票数を獲得した民主党東京で、保守系民主党政治家を排除する動きが加速している。 九月の民主党都連会長選挙では、当初、保守系の岩國哲人都連会長(衆院比例東京ブロック)が再選されると見られていた。しかし、市民運動系の都議会議員らが直前になって海江田万里氏(東京一区)を担ぎ出し、投票の結果、僅か一票差で海江田氏が勝利し、都連会長に就任したのである。 だが、これはまだ序の口のようだ。十一月、国の中小企業特別保証制度をめぐって、吉田公一代議士の秘書と無所属クラブの山崎泰都議、そしてその秘書が、相次いで出資法違反の疑いで逮捕されたが、これも実は保守系の粛清を狙った内部関係者からのリークではないかと噂されている。 逮捕された山崎都議は表向き無所属だが実態は民主党寄りで、将来は海江田氏の選挙区である東京一区からの出馬を目指していた。その一方で保守色が強く、保守党や自由党とも交流を持ち続けていた。保守系民主党政治家を快く思っていない市民運動系や旧社会党系の民主党関係者にとって、出資法違反容疑は山崎都議や吉田代議士ら保守系を追い込む格好のネタだった。鳩山由紀夫代表は、先の加藤政局を「コップの中の争い」と揶揄したが、党内のこうした抗争をどう受け止めているのか、聞いてみたいものだ。

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