日本に事実上、「亡命」中のフジモリ前ペルー大統領に、米国の大学から教授として招聘したいとの話が来ているようだ。米国の大学関係者が明らかにしたもので、マイアミやロサンゼルスの二、三の大学が、大学院レベルの学生に今秋から中南米現代史を教えてほしいとして、フジモリ氏に接触を図っているという。 フジモリ氏としては、不正資金疑惑でペルー当局が日本政府に捜査協力を求めて問題がこじれるようなら、日本に迷惑をかけたくないとの考えもあり、また、辞職した義弟のアリトミ駐日大使の後任に、フジモリ氏自ら首を切ったマキアベロ元駐日大使が再赴任してきたこともあって、招聘に応じることを検討している模様だ。フジモリ氏の関係者によれば、米国の大学で教えるとしても一年か二年で、その間ペルー情勢の推移を見たうえで再び日本に戻るか、情勢が好転すれば帰国するかを決める意向といわれる。 フジモリ氏の実姉がマイアミに居を構えていることから、同氏自身はロスよりマイアミの大学に関心があるのは確かだ。ただ、マイアミにはペルー系のヒスパニックも多く、フジモリ氏に対し必ずしも好意的ではないといわれる。

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