腰砕けの結果に終わった「加藤の乱」だが、森内閣不信任案を提出した野党側はどう受け止めたのだろうか。「自民党がその歴史的役割を終えたということ。遠からず自己崩壊するだろうと改めて認識しました」と語るのは、民主党の枝野幸男衆議院議員だ。 枝野氏は一九六四年生まれ。東北大学法学部卒業後、弁護士を務めていた九三年に、日本新党の候補者公募試験に合格。旧埼玉五区から衆院選に立候補し、当選を果たした。 地盤を持たない落下傘候補として、一からの手作り選挙を展開しての勝利だったが、「政治家本位で応援してくれているのか、政策面で応援してくれているのか、個々に事情が違いますから、それを一本化する必要はない。ピラミッド型組織は選挙にマイナスだと思う」と、当選三回目の今も依然従来型の後援会は組織していない。また、「しがらみを持たない状態で政治家になることが大事な時代になってきている。変革期ですから、昨日と違うことをしなくてはいけないし、今までの利権や癒着構造から遠いほど、言いたいことを言いやすい」と、公募による候補者の利点を強調する枝野氏は、党内に「候補者公募出身者の会」を立ちあげ、今後の人材確保も視野に入れている。

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