決算期を控え「日本問題」が国際金融のテーマにも浮上している。株価対策に「株式買い上げ機構」構想も取り沙汰されるが、長期金利の上昇を招けば、世界に混乱をまき散らしかねない。日本にマレーシア型資本規制を容認せよとの声も上がり始めている。 二月十七日、イタリアのシチリア島に先進七カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁が集まる。ユーロ安と原油高が焦点となった昨年九月二十三日のG7に比べて、議題は一変する。一―三月期にはマイナス成長に陥っているであろう米景気の行方に加えて、三月決算期末を控えた「日本問題」が俎上に上るのは必至である。 日経平均株価が一万三〇〇〇円台に下げ、東証株価指数(TOPIX)が一二〇〇ポイントすれすれまで下落したことで、日本経済の話題は株一色となった。円相場が一ドル=一二〇円近辺まで下落したことと合わせて、日本経済に対する悲観論が広まっている。株売り、円売りを総称して「日本売り」というのが、新年の挨拶代わりとなったかのようだ。EBという“毒饅頭” 一九九九年は九兆一千二百七十七億円、日本株を買い越した外国人投資家が、二〇〇〇年は二兆円を超える円本株売りに出た。だから、株安、円安の共振現象が起きている――。日本のエコノミストたちは、こうした解説を好む。だが実際には、外国勢は昨年十二月以降、日本株を買い越していることに注目すべきではないか。

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