ブッシュ対アジア政策チームに漂う「不安」

執筆者:ブルース・ストークス2001年2月号

日本にはブッシュ政権の日米同盟重視の姿勢を歓迎する空気が強いが、本当に安心していられるのか。金融問題のベテラン不在、パウエルと国防総省の冷たい関係など、早くも不安が浮上している。[ワシントン発]日本にとっての「クリントン時代」を総括すれば、ロバート・ルービンをはじめとするウォールストリートの金融専門家やローレンス・サマーズら経済学者に経済政策を批判され、ミッキー・カンターやシャーリーン・バーシェフスキーら通商弁護士に執拗に市場開放を迫られ、一方では、中国専門家がアメリカの対アジア外交を牛耳るなかで、日本は脇役に回された……という印象の残る八年間だったかもしれない。 その意味では、日本はブッシュ政権の誕生に安堵していることだろう。ブッシュ大統領は、日米関係を重視することを言明しており、クリントン時代のような「ジャパン・バッシング」を心配する必要は当分なさそうだからだ。 しかし、実際にブッシュ政権との折衝が始まり、政権中枢の面々がいかなる人物か、あるいは彼らの考え方がいかなるものかがわかってきた時、果たしてどれほどの笑顔が霞が関に残っているだろうか? たとえば、ウォールストリートがいま警戒しているように、アジア経済危機が再燃した場合、新政権には的確に対処できるだけの経験をもつ人材がいない。それに、そもそもブッシュが日本との関係を重視するのは、中国に対する反感の裏返しだ。とすれば、ブッシュ政権になったからといって、日米関係が必ずしも順調に推移するわけではないことは容易に想像できる。ことに日本が警戒すべきは、一見、日本にやさしく見える新政権の対アジア政策の仮面の下に、実は、日本の改革を求める強硬で、時に無体な要求が潜んでいる可能性があるということだ。

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